当院のスタッフに教えてもらうコーナー「現場の先生に聞いてみた」の第4回です。前回に続き、鍼灸師・柔道整復師の田中功太さんに、代表の北田が聞きました。今回は、田中さん自身のことについてです。
鍼灸師になろうと思ったきっかけは?
北田:鍼灸師になろうと思ったきっかけは何ですか?
田中:もともとは柔道整復師として、整骨院で働いていました。あるとき、別の症状で通っていた脳卒中の後遺症のある方から、「麻痺がしんどいんやけど、先生、何かできる?」と聞かれたんです。
自分の知識で少しは楽にできると思い、できる範囲で対応していましたが、表面から触るだけでは、できることに限界を感じました。はりなら、からだの中に直接刺激を届けられます。触るだけでも時間をかければできるのかもしれませんが、患者様の時間も大切です。はりなら、その場で短い時間で済むかもしれない。できることを増やしたいと思い、鍼灸師の資格を取りました。
北田:それで、施術の幅が広がったんですね。
田中:はい。はりが合いそうな方を、ほかの先生に紹介するのではなく、「僕がこちらでもできますよ」と言えるようになりました。
ただ、はりが怖いという方もいます。初めて会った方に、いきなり「はりを刺しましょう」とは言いません。まずは柔道整復師としての知識を生かして、一緒に運動をしてみます。少し楽になって「この運動をしてよかった」と感じてもらえたうえで、「でも、ここだけがどうしてもしんどい」となったときに、「先生、最初に言ってたはり、してもらえる?」とお願いされることがあります。そのとき、自分で最後まで対応できるのは、良かったと思っています。
北田:いきなりはりではなく、その方の気持ちに合わせて選べるのは安心ですね。
訪問の仕事のやりがいは?
北田:このお仕事で、やりがいを感じるのはどんなときですか?
田中:以前の職場では、施設への訪問が中心でした。そのとき、「歩けるようになりたい」という目標をしっかり持った方がいらっしゃいました。はり・きゅうの施術や運動を続けるうちに、施設の廊下で、ほかの介護職員さんから「めっちゃ歩けるようになってるやん」と声をかけられたんです。
ご本人や僕らが思っていた以上に、まわりの人から見ても変わっていた。それをご本人もとても喜んでくれて、楽しんで取り組んでくれるようになりました。そういうときに、すごくやりがいを感じます。
北田:最初は、歩けなかったんですか?
田中:はい。ギリギリ立てるかどうか、というところでした。
北田:そこから、歩く練習ができるまでになったんですね。
田中:皆さん、もともとできなかったのではなく、もともとできていたことが、何かの理由でできなくなっています。そのつらさが少しでも軽くなっていくのは、うれしいことです。
僕は、歩くのが難しくなってからのその方しか知りません。でも少し歩けるようになると、僕が知らなかった、以前のその方に近づいていく。「昔こんなことしててん」という話をしてくれたり、前を向いて生活できるようになったりするのが、すごくうれしかったです。
北田:治療というより、その方が望む生活に近づいていくことが、うれしいんですね。
田中:そうですね。
北田:前の職場でのお話ですが、変化の出方は人それぞれです。それでも、一人ひとりの目標に一緒に向かってくれる先生がいるのは心強いですね。
連載の記事(現場の先生に聞いてみた)
- 第1回 鍼灸(はり・きゅう)ってなに? はりは痛い? おきゅうは熱い?
- 第2回 刺激は強いほど効く? 鍼灸の「ちょうどいい刺激」
- 第3回 訪問の鍼灸では、どんなことをするの?
- 第4回 鍼灸師になったきっかけと、訪問のやりがい(この記事)
- 第5回 はりには、どんな種類があるの?
- 第6回 おきゅうには、どんな種類があるの?
- 第7回 便秘が気になるときに押したい、3つのツボ
- 第8回 足首、かたくないですか? 足首と足指のセルフケア
- 第9回 脳梗塞の後遺症には、どんな施術をするの?(2026年10月30日公開予定)
- 第10回 パーキンソン病の方には、どんな施術をするの?(2026年11月1日公開予定)
- 第11回 北田が、はりを受けてみました(首)(2026年11月3日公開予定)
次回は、「はりの種類」を田中さんにお聞きします。
当院のご案内
当院は、大阪市鶴見区・城東区、東大阪市、大東市で、医療保険(健康保険)を使った訪問マッサージ・はり・きゅうを行っています。
料金は、1回 約300円〜500円程度(1割負担の場合)、交通費(訪問施術料)込みです。
無料体験も受け付けています。お気軽にご相談ください。
はり・きゅうの感じ方や変化には、個人差があります。