当院のスタッフに教えてもらうコーナー「現場の先生に聞いてみた」の第5回です。前回に続き、鍼灸師・柔道整復師の田中功太さんに、代表の北田が聞きました。今回は、はりの種類についてです。

いちばん一般的な、刺すはり(毫鍼)

北田:鍼灸のはりには、どんな種類があるんですか?

田中:いちばんイメージしやすいのは、刺すはりです。毫鍼(ごうしん)といいます。

北田:何でできているんですか?

田中:今はほとんどがステンレスです。金や銀のはりもあって、からだになじみやすいと言われていますが、今は衛生面から使い捨てが主流です。使い捨てで金や銀を使うと費用がとても高くなるので、細くても折れにくいステンレスが使われています。

北田:どれくらい細いんですか?

田中:0.16ミリです。シャープペンシルの芯(0.5ミリ)よりずっと細く、ご自分でお腹に打つインスリン注射の針と、ほぼ同じ太さです。

北田:長さはどれくらいですか?

田中:手や足に使うものは、4〜6センチくらいです。場所によって使い分けます。顔の美容鍼では、もっと短いものを使います。

刺すはり(毫鍼)
刺すはり(毫鍼)。長さや太さの違うものがあります(写真:ウィキメディア・コモンズ)

刺さないはり(鍉鍼)

北田:刺さないはりもあるんですか?

田中:鍉鍼(ていしん)は、刺さない棒状のはりです。皮膚の表面をトントンとたたいて、刺すはりに近い刺激を与えます。

刺されるのが怖い方や、内出血しやすい方に使います。はりはとても細いので、ていねいに刺せば血管をよけてくれると言われていますが、高齢で血管がもろくなっている方などは、内出血して、あとで痛んだり腫れたりすることがあるからです。

北田:形はいろいろあるんですか?

田中:バネがついたもの、ついていないもの、先が丸いものなど、いろいろあります。

貼るはり(円皮鍼)

田中:円皮鍼(えんぴしん)は、シールの内側に、ごく短いはりがついたものです。マラソン選手が、体に丸いシールを貼っているのを見たことはありませんか? あれです。プスッと刺さるほどではありません。似たものに、皮内鍼(ひないしん)もあります。

北田:自分で貼れるんですか?

田中:はい。気になるところに、自分で貼れます。

皮内鍼(ひないしん)
皮内鍼(ひないしん)。円皮鍼と似た、テープで留めて使うはりです(写真:ウィキメディア・コモンズ)

転がすはり(ローラー鍼)

田中:ローラー鍼は、表面のイボイボを肌の上で転がして使います。一つのツボではなく、ツボのつながりに沿って、広い範囲に刺激を与えます。刺さらないので、お子さんでも使えます。「今日はここが気になるな」というところを、ゴロゴロするだけでも大丈夫です。美顔ローラーのもとになったとも言われています。

北田:長さの違うものがありますが、使い分けはあるんですか?

田中:特にありません。持ちやすさの好みです。

ローラー鍼
ローラー鍼(写真:ウィキメディア・コモンズ)

そのほかのはり

北田:ほかにも、はりはありますか?

田中:子ども向けの小児鍼(しょうにしん)は、鍉鍼と同じような刺さないはりです。イチョウの葉のような形のものなどがあり、形によって刺激の強さや当たり方が変わります。

集毛鍼(しゅうもうしん)も、刺さないはりです。一点ではなく、ある程度の範囲をトントンと刺激できます。

北田:電気を流すはりもあると聞きました。

田中:専用のはりがあるわけではなく、2か所に刺したはりに電気を流す方法です。電極の重さで細いはりが曲がったり折れたりしないように、少し太めのはりを使うのが安全とされています。

集毛鍼(しゅうもうしん)
集毛鍼(しゅうもうしん)(写真:ウィキメディア・コモンズ)

訪問でよく使うはりは?

北田:訪問では、どのはりをよく使いますか?

田中:刺す毫鍼と、ローラー鍼が多いです。

北田:刺されるのが苦手な方や、内出血しやすい方には、刺さないはりもあるんですね。気になることがあれば、気軽に相談してください。

連載の記事(現場の先生に聞いてみた)

  1. 第1回 鍼灸(はり・きゅう)ってなに? はりは痛い? おきゅうは熱い?
  2. 第2回 刺激は強いほど効く? 鍼灸の「ちょうどいい刺激」
  3. 第3回 訪問の鍼灸では、どんなことをするの?
  4. 第4回 鍼灸師になったきっかけと、訪問のやりがい
  5. 第5回 はりには、どんな種類があるの?(この記事)
  6. 第6回 おきゅうには、どんな種類があるの?
  7. 第7回 便秘が気になるときに押したい、3つのツボ
  8. 第8回 足首、かたくないですか? 足首と足指のセルフケア
  9. 第9回 脳梗塞の後遺症には、どんな施術をするの?(2026年10月30日公開予定)
  10. 第10回 パーキンソン病の方には、どんな施術をするの?(2026年11月1日公開予定)
  11. 第11回 北田が、はりを受けてみました(首)(2026年11月3日公開予定)

次回は、「おきゅうの種類」を田中さんにお聞きします。

当院のご案内

当院は、大阪市鶴見区・城東区、東大阪市、大東市で、医療保険(健康保険)を使った訪問マッサージ・はり・きゅうを行っています。

料金は、1回 約300円〜500円程度(1割負担の場合)、交通費(訪問施術料)込みです。

無料体験も受け付けています。お気軽にご相談ください。

はり・きゅうの感じ方や変化には、個人差があります。

写真の出典(ウィキメディア・コモンズ)
刺すはり(毫鍼):Akupunkturnadeln.JPG(撮影:Markus Bärlocher、パブリックドメイン)
皮内鍼(ひないしん):Japanese intradermal needle (Hinaishin) for acupuncture.jpg(撮影:Wolfgang Michel、CC BY-SA 3.0)
ローラー鍼:Rolleracupuncture.jpg(撮影:Hanabishi、CC BY-SA 3.0)
集毛鍼(しゅうもうしん):Syumoushin.JPG(撮影:Hanabishi、CC BY-SA 3.0)